白真珠 黒真珠

水平線が割れて
空を呑み込む

神様の真似をして
「光あれ」って

器用に波打ち際
足を濡らして

ぼくらダンスを踊る
冬晴れの海

ぐるぐるの足跡が
ぐちゃぐちゃの遺伝子みたい

きみの眼の中の
白真珠 黒真珠
つかんで砂の上に
放り投げたい

時間の中にナイフを
深く刺したら

傷ついたのは過去だけ
だったらいいな

「右向け右」で右を
向かない愛をあたためて

きみの眼の奥に
白真珠 黒真珠
ひろって武骨な指で
嵌め込みたい

きみの眼の中の
白真珠 黒真珠
溶けぬよう身体ごと
強く抱いた